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 2024年5月 聖句のお話 

 

 今は母の日、父の日がお祝いの日として一般的に知られていますが、そもそもこのお祝いを始めたのはキリスト教会だということはあまり知られていないかもしれません。どちらもアメリカの教会で始まったもので、母の日は1905年にアンナ・ジャービスさんという女性が、教会学校の教師や、女性のための活動をしていた亡き母親を覚えて会を開いたのが始まりです。母親の好きだった白いカーネーションをたくさん飾り、教会に来ていた人たちに配ったのです。それが5月第二日曜日で、その後、アメリカ全土に定着しました。父の日は、ソノラ・ドッドさんという女性が、母の日礼拝の説教を聞き、母親を亡くした後、父親が一人で6人兄弟を育ててくれたこと、父親は6人全員が成人後に亡くなってしまったけれども、感謝を伝えたいと思い、父の日もあるほうがいいのではないかとアメリカの牧師協会に願い出て、父親の誕生月であった6月に礼拝を捧げたことからスタートしました。この二つがそれぞれ日本にも伝わり、母の日はアンナさんが贈ったカーネーションを、父の日はソノラさんが父親の墓前に飾ったバラを贈るようになったのです。

 聖書の中に、十戒という教えがあります。イスラエルという国の人たちが奴隷生活から解放された後、神さまが教えてくれたものです。その中の一つに、「父と母を敬いなさい」とありました。この教えは子どもたちをそうなるように教育しなさいということではありません。神さまが私たちを愛してくださったように、私たちも子どもたちを愛してあげなさいと教えているのです。 子どもたちは愛されることで自己肯定感が育まれていくと言われます。また、乳幼児期は考えるよりも感じることに長けていて、この時期に出会う色々な人やモノを通じて感性が豊かになるそうです。その第一歩として、「大好きだよ、あなたが大切だよ」という言葉を保護者の皆さまと一緒に、子どもたちに伝えていきたいと思います。同時に、神さまがいつもそばで守ってくださっているということを子どもたちと一緒に実感していきたいと思います。

 

宗教主任 山本 孝根